一週間はなぜ7日なのか – 特に意味はないけれど都合がよかった日数

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カレンダー一週間 7日の理由

一週間はなぜ7日なのか。

週が5日で週休2日なら3日働くだけで休みがくるのに…などという妄想はさておき、7日を単位とした暦は古代バビロニアのころから用いられていたと考えられています。

バビロニア・エジプトを経由してユダヤ教徒に広まり、古代ローマで採用されたことで一般化しました。

結論から書くと一週間が7日と定まったのは、太陰暦の一月が29.5日であったため。29.5には7の倍数である28が近かったからと考えられています。

1週間を7を単位とした根拠

週が7になったとされる根拠は、当時知られていた惑星の数です。

月、太陽、水星、金星、火星、木星、土星

これら7つの惑星の運動周期が古くから知られていました。ひと月29.5日に7の倍数28が近いことから、7を単位とした週が月を分割する単位として用いられるようになりました。

28は完全数とも呼ばれ、古代ギリシャでは神秘性を見出していました。天体の動きと数字の間に神秘性を見出し、特別な数字として用いることにしたのかもしれません。

月を四つに分ける7日を単位とする週が用いられるようになりました。しかしこの時点では曜日名はついていませんでした。

 

曜日の命名と順番が不規則な理由

曜日はどうやって名付けられたのか。

さきの7つの惑星の順位が影響しています。

長い公転周期の惑星が一番上で、短いほど下位になるという考え方です。

  1. 土星 29年
  2. 木星 12年
  3. 火星 687日
  4. 太陽 365日
  5. 金星 225日
  6. 水星 88日
  7. 月  28日

惑星の順位付けは、太陽からの距離でもなければ地球からの距離でもありません。今の曜日の並びとも異なりますね。

地動説でも天動説でも惑星の運航の説明はできます。ただし天動説では地球からの見かけの運動を基準にするため、複雑になります。

 

7つの惑星を日ではなく時間に当てはめた

惑星の順位付けをそのまま日に割り当てていれば、土木火日金水月の並びになっていたはずです。しかし、昔の人は7つの惑星の名前を「日」ではなく「時間」に割り当てたのです。

古代エジプトでは昼を12に分割しました。紀元前1000年ごろのバビロニアでは、さらに夜も12等分して、1日を24分割しました。

24に分割した時間に上の惑星の名前を割り振ったのです。

一番最初にくるのは一番順位の高い土星。次に木星、火星と続き、最後の月になったら、土星に戻って順に割り振っていきます。

日をまたいでもリセットせず、続けて割り当てていきます。

1日目2日目3日目4日目5日目6日目7日目8日目
土星太陽火星水星木星金星土星
木星金星土星太陽火星水星木星
火星水星木星金星土星太陽火星
太陽火星水星木星金星土星太陽
金星土星太陽火星水星木星金星
水星木星金星土星太陽火星水星
22土星太陽火星水星木星金星土星
23木星金星土星太陽火星水星木星
24火星水星木星金星土星太陽火星

※数学で身につける柔らかい思考力より作成

24時間を7で割っているために余りが生じ、7日の周期で各時刻の名前が入れ替わることになります。

それぞれの日の一番最初に現れる惑星は「支配する惑星」と呼ばれるようになり、支配する惑星の名前が一日を表すようになりました。

同じ時刻を左から右に読んでいくと、現在の曜日の並びになっていることが分かります。

 

なぜ24に、割り切れない7を割り当てたのかは謎ですが、なんらかの神秘性を見出していたのかもしれません。

 

曜日の命名

支配する惑星、つまり曜日の名前はもともと惑星の名前で、日本では日・月・火と惑星の名前がそのまま用いられています。

しかし、英語では Satarday, Sunday, Monday にのみ原型が見て取れますが、火曜から金曜までは北欧神話から取られています。

日本語英語語源
土曜SaturdaySaturn(ローマ神話)
日曜SundaySun’s day
月曜MondayMoon’s day
火曜TuesdayTiw(北欧神話のテュール)
水曜WednesdayWoden(北欧神話でオーディーンにあたる)
木曜ThursdayThor(北欧神話のトール)
金曜FridayFrige(北欧神話のオーディンの妻)

ローマの惑星の名前はローマ神話に基づいているため、ローマの影響が薄かったイギリスでは北欧神話を援用したのでしょう。

 

週の初めは月曜日か日曜日か

週末の土曜日はユダヤ教の安息日となっていました。

キリスト教が広まった古代ローマでは独自性を出すために、週初となる日曜日と定めました。日曜日を主の日(安息日)として定めたのが西暦321年。

キリスト教の日曜日の礼拝は週末だからではなく、週初であり主の日だから休日となっています。週の終わりに休みがあるのではなく、週は休みから始まっているということです。

グレゴリオ暦の現在でも週初は日曜日となっています。ただ、生活上・実務上は月曜ではじまるほうが都合がよいため、あいまいな扱いになっています。

 

補足:太陰暦と一月の日数

かつてはどこの国も太陰暦を用いていました。

太陰暦は月の満ち欠けを基準に月を区切る暦のことで、新月から新月までを一つの区切りとしています。新月から新月までの周期は29.5日で1朔望月(さくぼうづき)と呼びます。

29日の月と30日の月を交互に交えることで、月の満ち欠けとカレンダーの月を一致させることができます。

月の満ち欠けは目で確認できて直感的にも理解しやすく、月の満ち欠けが12回で約1年と数えるため分かりやすいという特徴があります。

月の満ち欠けの周期は29.5日で、12カ月で354.4日。太陽の周期は365.2日。実際の季節とは1年で11日も違いが生じます。この調整のため約三年に一度、一月を加える閏月(うるうづき)が必要となりました。

1年を12カ月としたのは、たまたま月の12周期が1年に近かっただけで、論理的な理由は特にありませんでした。

根拠があろうがなかろうが、一月は月の満ち欠けを基準として29日か30日に定められました。この一月の日数が週を制定する根拠となったと考えられています。

 

補足:一週間が7日になった理由

現在の一週間は7日。一月は4週間+0~3日です。28日があったり31日があったりとめんどくさいですが、これは仕方がないところ。

7日を単位とする暦は、古代バビロニアで使われていたと考えられています。バビロニアでは、毎月7、14、21、28日を休日にしていたようで、週というより、月の初めから何日後は休みと定めていたと考えるほうが自然でしょう。

29日か30日を均等に分割するなら10日ごとでも構わなかったはずです。区切りという点では、人間の指の本数である10のほうが都合がよさそうなものですが、なぜか7に定められました。

月も太陽も天体の運動であることから、同じ空に見える星に根拠を求めたことにあるのでしょう。

ただ、実用上の問題もあったかもしれません。日数が増える分には余裕ができるため対応しやすいですが、減らすのは面倒なことがあります。

週7日制は旧約聖書の天地創造の7日間に基づくとも説明されますが、古代エジプト・古代バビロニアですでに用いられていたようです。

ただ、広まったのは古代ローマ時代のこと。もともとローマでは市場のための週8日の暦が使われていましたが、この7日制が取って代わったとされています。