渡良瀬遊水地のヨシ焼き2017が雨雲レーダーに写っていた
午前8時半より渡良瀬遊水地で行われているヨシ焼きの煙が、雨雲として気象レーダーに写っていました。
下は午前10時30分から13時15分までの様子。
渡良瀬遊水地のヨシ焼きは毎年3月頃、植生の保全を目的として春先に行われています。
渡良瀬遊水地は埼玉、栃木、群馬、茨城の四県にまたがる広大な遊水地で、面積は3つの調節池を含めて3,300ヘクタール。野焼きの対象となる範囲は1,500ha、東京ドームのじつに320個分に及びます。
渡良瀬遊水地のヨシ焼きは大阪の高槻市や滋賀県の近江八幡市などでも行われていますが、渡良瀬遊水地は本州最大と言われるだけあって煙もモクモクでるので、レーダーに写って当然といえば当然。
レーダに映ったのはもちろん雨雲ではなく、雨粒と似た大きさの燃えかすが、雨に似ていたためにレーダーに捉えられたようです。
渡良瀬遊水地のヨシ焼きが気象レーダーにうつっとる. pic.twitter.com/2xtSd1qDfm
— 荒木健太郎 (@arakencloud) 2017年3月18日
現在もエコーが出てますが,ひまわりで見る限りは雨を降らせるような雲が発生しているわけではないようです.ヨシ焼きによる熱対流で上昇した雨粒オーダーのサイズの燃えカスとかが観測されているものと思います.火山噴火時に似てますね.
— 荒木健太郎 (@arakencloud) March 18, 2017
渡良瀬遊水地のヨシ焼きがレーダーで観測されてるという件ですが,CバンドやXバンドの気象レーダーでは煙粒子はうつりません.ので,ヨシ焼きによる熱対流の上昇流で巻き上げられた雨粒サイズの灰とか燃えカスが観測されてるぽいです.煙も灰も西寄りの風で流されているので洗濯物とかご注意下さい. pic.twitter.com/toXHCEzUAm
— 荒木健太郎 (@arakencloud) 2017年3月18日
渡良瀬遊水地は希少な植物も多いため、湿地保全のためのラムサール条約にも登録されています。野焼きは絶滅危惧種の保存に貢献していると言われています。
ヨシ焼きとは?
ヨシは葦のことで、川べりで生い茂ってるやつです。
ヨシは背が高いため、そのままにしておくと地面に日が届かず、新しく生えてくる植物の芽生えを阻害してしまいます。反対に年を越して生き残った樹木が成長してしまうと森林となってしまいます。
また、枯れ草をそのままにした状態で火が出ると、延焼の恐れもあります。
ヨシ焼きはこういった植生を維持するための環境保全で、一般的な野焼きと変わりません。
ヨシ焼きの環境への影響は?
枯れ草を焼くだけなので、熱は地表表面に限られます。
そのため地中で根を張っている植物に影響はなく、新たなアシは生えてきますし、希少種も保全されています。
ヨシ焼きの動画
ヨシ焼き 渡良瀬遊水地2016
ヨシ焼き 渡良瀬遊水地2017
2018年版はこちら渡瀬遊水地ヨシ焼き2018
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