フェンスもないのにゲートに殺到するヒツジにみる『思考の罠』

雑学、雑感

柵もないのに律儀にゲートを通ろうとして、すし詰めとなるヒツジの群れ。

周りに目をくれることなく前を行くヒツジを追いかけて、わざわざ狭き門を目指してしまう。
少し視点を変えるだけで他にも通れる場所が見えるのに…

そんな「思考の罠」を体現しているとして海外のSNSでたまにみかけるのが上の画像。

画像の下にはこんなキャプションが付いています。

A herd of sheep is leaving the stall. There is no fence, only the gate…

“The Trap of thinking”

(小屋を離れるヒツジの群れ。そこあるのは門だけだ。フェンスはない…『思考の罠』)

キャプションも巧みで、目の前のことにとらわれすぎて俯瞰できなくなった思考がよく表現されています。

そのため思考停止に見えたり、視野が狹くなっている人に対してしばしば引き合いに出されます。

見えないだけで実はフェンスがある

「思考の罠」画像の元となったのは、オーストラリアの写真家「スコット・ブライドル」さんが2012年に撮影した写真。

リンク先の最上段左端にあるのがオリジナルの写真。

しかしこの画像、確認しづらいだけで実は柵もフェンスもあります。
それを知っている人も多く、「思考の罠」というよりも笑いのネタとして使われることがあります。

オリジナル写真を色調補正してみると、確かに杭が確認でき、杭と杭の間にも細い線(フェンス)がうっすらと見えます。

キャプションを信じこんで画像を精査することなく、ヒツジはなにも考えないと笑うと、自らの視野の狭さを露呈する結果となってしまう。
二重の意味で「思考の罠」となっています。

構造としては養老孟司の『バカの壁』と同じ形になっています。
バカの壁は読者の前に立ちはだかっており、それに気づかないことがバカの壁に阻まれている状態にあることを巧みに表現しています。

「ヒツジの群れって、本当にそこまで同じ行動をとるもの?」という疑問を抱くことが、思考の罠にはまらないための秘訣かもしれませんね。

Don’t Fence Me In(Snopes.com)