高齢者の事故は多いのか少ないのか、本当のところは?

経済・統計

高齢者が車の事故を起こすと年齢を強調して報道されるためか、高齢者の事故率が高いと思っている人、多いですね。

ふらついてる車を運転しているのが高齢者だと「やっぱり」と思うことはあります。

しかし実際の「事故」件数となると高齢者が事故を起こす率は突出して高いとは言えないんですよね。

おそらく全事故に占める高齢者の比率が高まっているために増えているように感じるんだと思います。

都内における交通事故の総件数は年々減少し続け、平成28年は32,412件で10年前の半数以下となりました。

その一方で高齢運転者が関与する交通事故の割合は年々高くなり、平成28年は総件数の22.3%を占め、平成19年と比べて約1.7倍となっています。

防ごう!高齢者の交通事故!

考えてみれば当然のことですが、高齢者人口が増えているのだから高齢者の事故をおこす総数が増えるのが道理というもの。

数字を確認してみましょう。

交通事故の総件数は減少

平成19年には13%だった高齢者の事故割合は平成28年には22.3%にまで上昇しています。

確かに全事故に対する高齢者の占める割合は高まっています。

高齢化が進んでいるのだから、高齢者の事故比率が上がるのは当然ですね。

2010年から2016までの6年間で、高齢者の割合は4.6%も上昇しています。

そこで人口構成に左右されない免許保有者10万人あたりの事故件数を確認します。

「原付以上運転者(第1当事者)の年齢層別免許保有者10万人当たり交通事故件数の推移」

運転免許所持者10万人あたりの年齢別事故件数を比較すると、極端に高くはないことが分かります。16~19歳は大半が原付の事故だと考えられるので除外するとしても、20~29歳よりも低く出ています。

20~29歳も原付の事故の比率は高にしても、車の保険の高さからも事故率の高さの原因が原付だけと考える必要はないでしょう。

※『第一当事者』は過失割合の一番高い人のこと

同じ高齢者で比較しても、80歳以上と80歳未満では事故率が違うことが伺えます。

事故件数も減少

冒頭で引用した警視庁の「防ごう!高齢者の交通事故!」にも書かれているように、事故件数そのものが減っています。

この表に記載されている指数は、平成18年を100とした割合を指しています。85歳以上の事故も減っていることが分かります。

運転免許保有者10万人あたりの事故件数なので人口構成も関係なく、確実に減っていることが分かります。

事故の度合い、死亡事故率

事故は全体的に減っているものの高齢ほど事故を起こす割合が高いことは分かったので、最後は死亡事故の件数です。

2017年1月に警察庁の公表した「高齢運転者に係る交通事故の現状」に、免許保有者10万人あたりの死亡事故件数が記載されています。

高齢運転者に係る交通事故の現状

75歳以上が第一当事者となった死亡事故の件数は10万人あたりで9.6人、他の年齢は4.0人。

実に2.5倍の死亡事故を起こしていることになります。

高齢者ドライバーが事故を起こす件数は極端に高いわけではないものの、死亡事故を起こす可能性は高いことが分かります。

高齢者の死亡事故をおこす確率は他の年代の2倍以上

高齢者が死亡事故を起こす確率はそれ以外の年代の2.5倍。

考えさせられる数字です。ただ、75歳未満と以上では大きく違うため、65歳を高齢者と一括りにせず、行政での扱いと同じく75歳未満とそれ以上で分けて考えたほうがいいでしょう。

死亡事故を起こす割合が2.5倍となると、運転免許自主返納を促すことで重大事故の件数を減らすことはできそうです。

しかし都会ならともかく田舎で車がないと何もできなくなるのも事実。

「運転経歴証明書」を提示することで交通機関の割引などが受けられる自治体では、それなりに返納をする人もいるようです。サポートを充実させることで自主返納を促すのが一番よいのでしょうね。

 



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