NHK受信料収入の推移/オリンピック・ワールドカップ放映権料NHK負担額
世界中で視聴されるサッカーワールドカップやオリンピックの放映権料は年々高騰を続けており、1開催で200億~400億とも言われています。
オリンピックやワールドカップの視聴率は非常に高いので、メディアが100億単位の金を出す価値があるのだとは思います。視聴率が取れるということは、商業ベースに乗るということ。それほどメジャーなスポーツをわざわざNHKでやる必要があるのか?という疑問がわきます。
そこでNHKのスポーツ放映権料負担と受信料について調べてみました。
上のグラフはNHKの受信料収入と衛星放送の月額受信料です。
2012年度、2013年度の受信料が大幅に下がっているのは月額受信料を120円下げした影響によるものです。結果として収入が350億円近く下がっています。
2013年度も回復していないのは長期前払い世帯の更新タイミングによるもので、2014年には増収に転じています。
その2年後の2016年度には受信料支払い率が上がったことから、受信料収入が過去最高となる6,769億円を記録しました。
元にしたデータ
年度 | 受信料(億円) | 衛星契約(円) | 支払い率(%) |
---|---|---|---|
2010年度 | 6598 | 2290 | |
2011年度 | 6725 | 2290 | 71.9 |
2012年度 | 6387 | 2170 | 73.1 |
2013年度 | 6345 | 2170 | 74.4 |
2014年度 | 6493 | 2230 | 75.6 |
2015年度 | 6625 | 2230 | 76.9 |
2016年度 | 6769 | 2230 | 78.2 |
2018年2月現在のNHK受信料
種別 | 支払方法 | 月額 | 2か月払額 | 6か月前払額 | 12か月前払額 |
---|---|---|---|---|---|
地上契約 | 口座・クレジット | 1,260円 | 2,520円 | 7,190円 | 13,990円 |
継続振込等 | 1,310円 | 2,620円 | 7,475円 | 14,545円 | |
衛星契約 〈地上契約含む〉 | 口座・クレジット | 2,230円 | 4,460円 | 12,730円 | 24,770円 |
継続振込等 | 2,280円 | 4,560円 | 13,015円 | 25,320円 | |
特別契約 | 口座・クレジット | 985円 | 1,970円 | 5,620円 | 10,940円 |
継続振込等 | 1,035円 | 2,070円 | 5,905円 | 11,490円 |
NHK受信料の窓口-NHK放送受信契約・放送受信料についてのご案内
スポーツ大会放映権料NHKの負担額
オリンピック・サッカーワールドカップともに放映権料(放送権料)が年々上昇しており、一局のみで負担することが難しくなっています。そのため民放各局とNHKは協同してコンソーシアム方式で放映権料を負担しています。
放映権料の負担割合は地上波、BS、ラジオと多くのチャンネルをもつNHKが高くなっています。
オリンピック放映権料(NHK負担割合は70%)
冬季 | 2010年 | バンクーバーオリンピック | 325億円(日本円建て) NHK 228億円 |
---|---|---|---|
夏季 | 2012年 | ロンドンオリンピック | |
冬季 | 2014年 | ソチオリンピック | 360億円(日本円建て) NHK 252億円 |
夏季 | 2016年 | リオデジャネイロオリンピック | |
冬季 | 2018年 | 平昌オリンピック | 660億円(日本円建て) NHK 462億円 |
夏季 | 2020年 | 東京オリンピック | |
冬季 | 2022年 | 北京オリンピック | 440億円(日本円建て) NHK 308億円 |
夏季 | 2024年 | パリオリンピック |
FIFAワールドカップ放映権料(2002年時点 NHK負担割合60%)
2010年 | 南アフリカ大会 | 200億円 | ジャパンコンソーシアム スカイパーフェクト コミュニケーションズ |
---|---|---|---|
2014年 | ブラジル大会 | 400億円(64試合 無料放送権) | ジャパンコンソーシアム |
2018年 | ロシア大会 | 不明 | ジャパンコンソーシアム |
オリンピック・FIFAワールドカップともにWikipediaより
NHK受信料に占めるオリンピックとワールドカップの放映権料
高額なスポーツ放映権料がわかったので、次に受信料に占める放映権料の比率を計算してみます。
2020年の東京オリンピックは地元なので高額になるのも当然で、2018年の昌平オリンピックは東京とセットなので除外します。
そこで直近の2010年から2017年までの8年間のNHKの法影響負担額を年平均にすると
(228+252)÷8=120億円となります。
サッカーワールドカップのNHK負担割合が分かっているのは2002年のみ。金額が明らかではないため推測することしかできませんが、負担比率が変わっていなければ6割をNHKが負担しているはず。ということで、400億円の6割を4年で負担することになるため
400×0.6÷4= 60億円 つまりNHKのワールドカップのためにNHKが支払う金額は1年あたり60億円という計算になります。
オリンピック・FIFAワールドカップの放映権料を合計すると、NHKは1年あたり180億円のメジャースポーツ放映権料を負担していることになります。
この180億円がどのくらいになるかというと。NHKの2016年度の受信料 6769億円なので、スポーツ放映権料の受信料に占める割合は2.7%ほどになります。
衛星放送の12ヶ月前払い金額 24,770円 から 2.7% をひけば 24,101円。
計算上は受信料を年あたり670円安くできることになりますが、月あたりにするとわずか55円。
放映権が莫大なわりに、放映をやめたところでたいした額にならないということのようです。
しかし民放が競って放送したがるメジャースポーツを、受信料で成り立っている NHK がわざわざやるいみがあるのかは疑問です。マイナーなスポーツを流せばいいんじゃないの?と思うのもまた事実です。
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