N国党、松田みき新宿区議の当選無効、抗弁の根拠とは

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2019年9月2日、N国党所属の松田みき新宿区議が、公選法が定める区内での居住実態が認められないとして、当選無効の決定が下りました。

居住実態の曖昧さから昔から問題になっているやつです。落下傘部隊は長期的に在住することで回避しています。

松田みき議員の夫、亘さんは練馬区議。自宅は練馬区にあり、みき起因は住民票を新宿区に移した上で、新宿区の部屋で寝泊まりをしていた。風呂などは練馬の自宅で入り、新宿区では寝泊まりをしていたことで居住実態を満たしたと考えていた。

新宿区議松田みきの当選無効に対する反論
2019/09/10 に公開

選挙管理委員会への申し立てを行い、それでだめなら裁判をする構えのため、すぐに失職というわけではありません。結論が出るまでは現在の身分のままです。

 

争点

争点は、選挙管理委員会の認識と法律の2つがあります。

  • 寝泊まりでは居住実態がないのか(公職選挙法選挙権と被選挙権の関係)
  • 職業選択の自由と居住移転の自由

ガス水道をそれなりに使っていなければ、感覚的には居住実態はないように思われます。

しかし松田みき議員は、選挙権(選挙への投票権)は持っていた。公職選挙法では、

第九条 日本国民で年齢満十八年以上の者は、衆議院議員及び参議院議員の選挙権を有する。
2 日本国民たる年齢満十八年以上の者で引き続き三箇月以上市町村の区域内に住所を有する者は、その属する地方公共団体の議会の議員及び長の選挙権を有する。

(被選挙権)
第十条 日本国民は、左の各号の区分に従い、それぞれ当該議員又は長の被選挙権を有する。
五 市町村の議会の議員についてはその選挙権を有する者で年齢満二十五年以上のもの

被選挙権(選挙に立候補する権利)は「選挙権を有し、かつ25歳以上」であれば与えられます。

松田議員は選挙権を持っている。つまり、選挙権があるのならば居住実態があると推定されるため、被選挙権の要件は満たしているのではないか、ということ。

もう一つは憲法の居住移転の自由と職業選択の自由の問題。

この2つの線で事実認定を争っていく、ということになります。

 

地域に縛られるべきか、場所を問わないべきか

N国党は被選挙権を得るために住居実態が必要であることは、移動の自由と職業選択の自由への侵害にあたるのではないか、と提起しています。

ここは法の不備という感があります。

ただ、自治体議員の選挙は、そこに住んでいる人の代表を選ぶという趣旨であれば、その地域に根ざしている必然性もあります。