法律相談・弁護士案内サイトの尊厳を無視した煽りタイトル 回答してる弁護士は気にしないのか?

雑学、雑感

弁護士ドットコムの Line news で流れてきたダイジェストに「未婚の母の末路」というタイトルの記事がありました。

別れた後に妊娠発覚!「未婚の母」の末路 (弁護士ドットコム) – LINEアカウントメディア

弁護士ドットコムの法律相談コーナー「みんなの法律相談」に寄せられた相談をもとに、編集部が架空の質問を作って弁護士が回答するやつです。

記事の内容はと言うと、付き合っていた相手と別れた後に妊娠が分かった。元彼は堕胎を求めるけれど、自分は産みたい。元彼の反対を押し切って産んだ場合、認知や養育費を得られるかという相談。

彼氏と別れた後に妊娠が発覚ーー。相手の男性は「結婚していないから」「別れた後のことだから知らない」と、中絶を望んでいるそうです。それでも「産みたい」と考えている女性に対して、金子宰慶弁護士は「認知」と「養育費」の求め方について解説します。

Q. 「別れた後でも養育費はもらえますか?」
彼氏と結婚を前提に同棲していましたが、別れることになり、同棲も解消しました。その後一月ほど経ったあとで、妊娠していることがわかりました。

相手は中絶を望んでいますが、私は年齢的にも産みたいと考えています。ただ、派遣社員として働いているのですが、1人で育てていけるのか、経済面には不安があります。

やはり、相手の反対を押し切って産むことは、私の身勝手なのでしょうか。別れた後では、彼から養育費をもらうことはできないのでしょうか。

この質問に対し、弁護士は「新しく宿った命。それは天からの授かりものともいえるでしょう。」と、子供が宿ったことを祝福しています。

その上で、元彼から認知を得る方法と養育費の相場を弁護士として回答している。

選択肢を示しているだけで、「末路」などと考えてもいません。

 

末路の意味

「末路」の意味は、行く末とか終わりとかそんなんですわな。

1 道の終わり。

2 一生の最後。晩年。ばつろ。「人生の末路」

3 盛りを過ぎて衰え果てた状態。なれのはて。ばつろ。「英雄が哀れな末路をたどる」

末路(まつろ)の意味 – goo国語辞書

言葉そのものに悪い意味はないけれど、使われ方としては「ろくでもない結果」であったり、「(人生などの)終わり」など、あまりポジティブな意味では使われません。

たとえば「裸一貫から年商100億の企業に育てた男性の末路」と言えば、だいたい会社から追い出されたり、不幸に見舞われたといった(当人にとっては)好ましくない結果を示唆しています。

「周りに惜しまれながらも第二の人生を意気揚々と歩み始めた」のようなポジティブな文脈ではまず使われない。

別れた後に妊娠発覚!「未婚の母」の末路」のタイトルから推し量れば、未婚の女性が男性と別れた後に「妊娠」が発覚したら、こんな結果に終わりますよー、みじめなものですよーという記事にしか見えない。

質問自体は架空のものとはいえ、実際に悩んで相談した人がいる。そんな悩んでる人への回答記事に、回答している弁護士もよくこんなタイトルをつけることを許すもんだと思って不思議だったのですが。

ウェブサイトの元記事を覗いてみると、タイトルはLine News と違ってまともなものでした。

別れた後に「妊娠」発覚! 「未婚の母」が知りたい2つのこと

別れた後に「妊娠」発覚! 「未婚の母」が知りたい2つのこと – 弁護士ドットコム

付き合ってた相手と「別れた後に「妊娠」発覚!」なんてことはありうるし、認知と養育費は「未婚の母」になる覚悟を決めた人が知りたいこと。適切なタイトルです。

回答した弁護士も、Line News の方の煽りタイトルを知らないのかもしれないけれど、少なくとも弁護士ドットコムは、子どもを産むことを反対されている未婚の妊娠した女性のことを「末路」だと認識していることは疑いようがない。

弁護士も、依頼内容によっては腹の中では呆れたり腹を立てることはあるでしょう。しかし依頼者がどのような境遇の人であれ、法律によって依頼者の利益を守るのが仕事。立場や境遇がどうあれ自分の利益を守ってくれると思えるからこそ、弁護士にすべてを話すことができる。前提となるのは信頼。

相談者の境遇を「末路」呼ばわりして、人の尊厳を軽んじる法律相談のサイトなんて、信用無くすんじゃない?