禁酒の日にちなんで アルコールは百薬の長ではないかもしれないという話

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カクテル1月16日は禁酒の日だそうです。

アメリカで1920年に制定された禁酒法にちなんでいるとか。アメリカは今でも自治体によっては飲酒が禁止されているので、わざわざやらんでもという気もしますが、それは脇に置いといて。

下戸なぼくは毎日が禁酒日なので縁もゆかりもないのですが、お酒にまつわるネタをいくつか耳にしたので紹介します。

どれもきちんとした研究ですが、発表されたというだけで医学的に同意が得られていないものもあります。後で否定される可能性もあるので、その点は留意してください。

お酒は百薬の長?

NO

ナダのヴィクトリア大学と、豪州国立薬物調査研究所の共同研究チームが行った研究では、適度な飲酒をした人と飲まなかった人の間に有意な死亡率の差がなかったという結果が出ています。

 今回の研究では、アルコールと死亡率の関係を追跡調査した研究論文87件を解析しているが、その際、禁酒の理由や経過が明記されていない論文は除外。疾患の有無と飲酒の影響を明確に区別して、分析をおこなった。

その結果、一般的に「適度な飲酒(アルコール量で1日1.3~24.9グラム)」とされるレベルの人と、まったく飲酒をしない人を比較しても、死亡率の有意な減少は確認できなかった。

研究者らは、飲酒が動脈硬化症や冠動脈疾患など、一部の疾患リスク低下と関係があることは認めつつ、「飲酒によってリスクが上昇する疾患で、結果的にアルコールの健康効果とされるものは相殺されているのだろう」とコメントしている。

発表は、2016年3月22日、アルコール、薬物分野の専門誌「Journal of Studies on Alcohol and Drugs」オンライン版に掲載された。

「酒は百薬の長」と言われてきたが カナダ、豪州の研究で完全否定 : Aging Style

この研究は過去の研究データを分析するメタアナリシスという手法を用いて、「飲酒しない人」のうち「かつて飲酒をしていたが、健康問題で酒を断った人」を除外して精査したものです。

「飲酒をしていたけれど、健康を損ねてやめた人」は、酒の悪影響をすでに受けていると考えられます。
しかし健康を理由に酒を断った人も、研究対象となった時点で飲酒をしていなければ「酒を飲んでいない人」に分類されてしまったケースがある。

酒の悪影響を受けて死亡率が高い人が、飲酒しない人に分類されていたらデータとしておかしくなります。
そのため「体を壊して酒をやめた人」を「酒を飲まない人」から除外して集計し直したのがこの研究です。

その結果、酒を飲む人とと飲まない人の間に有意な差がなかったという結論になっています。

お酒を飲むと脳が萎縮する?

YES

1. アルコールの脳への影響について

以前から大量に飲酒する人には脳が小さくなる脳萎縮が高い割合でみられることは知られていましたが、最近の調査によれば、飲酒量と脳萎縮の程度には正の相関が見られることが報告されています。すなわち飲酒量が増えるほど脳が萎縮するということです。一方で飲酒による脳萎縮は断酒することによって改善することも知られています。萎縮以外の影響としては、アルコールが加齢による記憶・学習低下を促進することが動物実験では証明されています[1]。

アルコールと認知症 | e-ヘルスネット 情報提供

脳の萎縮と記憶力は必ずしも一致しないため認知症に結びつくとは限りません。

認知症の予防に効果がある研究データもあり、e-ヘルスネットでも肯定的な効果を認めています。

アルコールと認知症について解説すると、大量の飲酒は認知症の原因となりますが、少量ないし中等量の飲酒は認知症の危険性には関係しない、または予防する可能性があるということが示唆されています。しかしご注意いただきたいのは、元々飲酒する習慣がない人が飲酒した場合に認知症を予防するという証拠はどこにもないということです。

同上

アルコール税は税収にプラス?

社会損失を考慮すると微妙

酒税は年々減っていますが、それでも2015年度の歳入は1兆3,400億円。

27年度酒税課税額と生産量
酒税に関する資料 : 財務省

同じく2015年の医療費が分かればいいのですが、推計値が見当たらないので、少し古いデータを利用します。

参照アルコール関連問題の社会的損失の推計

以下、2008年のデータの推計を元に数字を書き出すと

酒税収入
1兆4,680億円

社会損失推計
約4兆1,500億円(うち医療費は1兆101億円)

 

酒税による歳入増の3倍近くの社会損失が発生していると推計されています。
喫煙による社会損失は約4兆円以上と推計されているので、いい勝負ですね。

アルコールのメリットは否定されている

アルコールっていいことないじゃん、と思いました?
たぶん肉体面でいいことってほとんどないんですよね。

美味しくて飲んでるならよし。
コミュニケーションのツールとして使うのもいい。

ただし百薬の長という言い訳はなしでw

東京オリンピックに向けてタバコが一段落したら、次のターゲットはアルコールです。
地方でも練習場を提供する自治体ではタバコ・アルコール規制の強化が図られると思うので、愛酒家のみなさんは今のうちに理論武装をしておくほうがいいかもしれませんよ。

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