スウェーデンストックホルム郊外の移民の多い地域で暴動(2017/2/20)

スウェーデンリンケビー
写真はwikipediaより

今月20日、スウェーデンの首都ストックホルム郊外のリンケビューで暴動が発生しました。

暴動では警官への攻撃、破壊、略奪、放火が発生。警官1名が負傷、略奪を止めようとした民間人も暴行をうけ、車10台が燃やされたということです。

リンケビューは移民の多数住む地域。特にソマリア人(出身者)が多いため、リトル・モガディシュとも呼ばれることもあるそうです。

今月18日、トランプ大統領は移民問題についての演説をした際に、スウェーデンでテロがあったような表現を用いて批判に晒されました。

https://yaruzou.net/misc/news/us-pres-trump-swedish-terror-attack
ところが翌々日の20日には、テロではないものの移民による暴動が起こり、23日時点では店が壊されたりけが人の有無は不明とのこと。

スウェーデンの移民暴動2017リンケビュー暴動


YouTubeに投稿された生々しい映像

暴動のきっかけはリンケビューの駅周辺でドラッグ密売人を逮捕したことです。

逮捕から数時間後に放火が発生し、そこから暴動に発展。略奪、投石が行われ、負傷者も出ました。犯人の中にはマスクで顔を隠していたものもいるとか。

警官が発砲したものの、怪我人は出なかったとのこと。

今のところ負傷者が出たこと、略奪があったこと、車10台が燃やされたとは発表していますが、現在捜査中なので、被害の詳細が明かされるのは先になりそうです。


暴動後の様子

リンケビューとは

リンケビュー(rinkeby:表記はリンケビーも)はストックホルム郊外に位置し、住民の大半が第一世代、第二世代の移民という地区。

ソマリア人移民が多いため、リトル・モガディシュと呼ばれることもあるそうです(モガディシュはソマリアの首都)。

リンケビューでは2010年にも暴動が起きています。この時は100人ほどの移民により放火や投石が行われたようです。

移民/外国人の犯罪率は高いのか

AFPの記事には移民・外国人の犯罪率については相反する2つの見解が記載されています。

 トランプ氏を批判する人々は、スウェーデンでは2010年以降テロ攻撃が起きておらず、難民申請者を24万4000人受け入れてからも犯罪率は特に上がっていないと訴えている。

スウェーデンは、2014、15年の人口1人当たりの難民申請者受け入れ数が欧州で最も多かったにもかかわらず、依然として世界屈指の安全で豊かな国であることに変わりはない。移民を統合する上で困難がないわけではないが、深刻な人種対立や格差、貧困、暴力などが起きている米国とはまったく状況が異なるというのが反トランプ派の主張だ。

 一方で、スウェーデンについて異なる見方をする人もいる。外国人は地元住民より犯罪関与率が2倍高く、失業率も高く、麻薬の闇取引に関与した件数も多い上、警察も立ち入らない区域が複数存在し、イラクやシリアのイスラム過激派に加わって戦うために出国した外国人戦闘員も約300人いると指摘している。

トランプ効果? スウェーデンで移民統合政策の功罪を問う動き – AFP

犯罪件数のカウント数の違い

昨年には難民センター働く女性が難民に刺殺される血なまぐさい事件が起きました。また、大規模な性犯罪も起きています。

ケルン大晦日集団性暴行事件(ケルンおおみそかしゅうだんせいぼうこうじけん)は、2015年12月31日から2016年1月1日にかけて発生した、ドイツのハンブルクほか北ドイツ地域[1]、およびケルンのケルン中央駅とケルン大聖堂前広場などにおけるアラブ人・北アフリカ人を主体とした約1,000名による女性に対する、3件の強姦[2][3]を含む集団強盗・性的暴行事件である

https://ja.wikipedia.org/wiki/ケルン大晦日集団性暴行事件

しかしよく言われるスウェーデンの犯罪率の高さは国による犯罪のカウントの仕方の相違の影響が大きいので、必ずしも参考にはなりません。

スウェーデン本当は治安悪い説② - 北欧ダダイスト
HDI: 世界14位 (Human Development Index, 人間開発指数) GPI: 世界14位 (Genuine Progress Indicator, 真の進歩指標) 。。。。。レイプ犯罪率世界3位 どうもスウェーデンです。 何言ってんだって感じですよね。レイプ大国なんてイメージ無いですよね。このデー...

統計上犯罪の件数が多く出る理由は、同一犯罪でも複数件カウントされることや、捜査の結果犯罪がなかったとされても件数としてカウントされるためです。日本の認知件数とは基準が異なるわけです。

ただ、犯罪が増えているのは事実のようです。

Crime in Sweden - Wikipedia

したがってスウェーデンの犯罪率は北欧の中では高い、日本よりは危険とは言えても、数字だけをみて何倍危険かは判別しようがありません。統計の比較の難しさの典型例と言えます。

移民政策はどうなるのか

安定した社会、手厚い福祉、優れた教育制度で取り上げられることの多いスウェーデンですが、移民政策には賛否があるようです。

スウェーデンの税金は高く、所得税は地方で30%程度、国税が最大25%(収入次第では0)かかる。消費税は25%。食料品や交通機関のような日常生活に必要なものは12%。書籍・新聞は6%なので、必ずしも25%というわけではないものの、やはり高い。
税制|SwedenAbroad
その一方で高福祉の国は貯蓄率が低い印象がありますが、スウェーデンでの貯蓄率は上昇しているようです。その原因は格差拡大と見られています。

https://kawaski.jimdo.com/2014/06/11/上昇する家計の貯蓄率-ー-スウェーデン/

(日本の貯蓄率が下がっているのは基本的に高齢化のため)

高税率も受け入れているのに、その金が自国籍の人以外に使われるとなると感情的にあまりいい気はしないでしょう。格差拡大が進行していれば、その恩恵に与れなかった人からは当然のように不満が出てきます。

同じように移民問題をかかえるドイツは、移民政策について失敗という発言が多く出ていますが、だからといって受け入れなくなるわけではありません。高齢化が進むドイツでは、労働人口を維持するために移民は必要と考えているようです(EU諸国の場合は通常の移民だけでなく、難民受け入れが問題)。移民は必要だと考えている人でも、人数が多すぎるために問題市することもあるようです。

移民の同化・統合といった政策への批判が高まっているこんな時期に、なんでまた暴動なんかするかな。

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