マイナスイオンとプラズマクラスター〔気になる言葉〕
マイナスイオン
かつて健康にいいといった謳い文句があったために批判されることも多く、水素水と似たようなイメージもついてしまった感のある「マイナスイオン」の話です。
マイナスイオンということばにネガティブな印象はあるんですが、プラズマクラスター清浄機やマイナスイオンドライヤーのように、実際に効果のある製品は多数あります。
ドライヤーならば、プラスに帯電した髪にマイナスの電荷のあるものをぶつければ中和できるだろうというのは理解できます。実際に使えば普通のドライヤーより髪がまとまるのは分かります。
一方、空気清浄機の原理はいまひとつわかりづらい。
酸化力か還元力の強い物質を作り、ウイルスや細菌のタンパク質を酸化なり還元して無効にすればいいということなんだろうとは想像していました。漂白・殺菌・除菌に使うさらし粉(次亜塩素酸ナトリウム)などと同じことだろうと。
そう考えて気にしていなかったのですが、アロマキャンドルのマイナスイオン効果についての記事を書いていて興味がわいたので、改めて調べてみることにしました。
肝は不安定な状態の分子(ラジカルに)よる強力な酸化力
これまで目にしてきたマイナスイオンの説明でよく出てきたのがヒドロキシルラジカル(OH)による殺菌・抗菌・効果というものでした。
ラジカルを用いた説明では、OHは酸化力が強いから菌やウイルスを無効化させるであろうことは分かります。
しかし、それってマイナスイオンなの?という点が不明でした。
酸化力は電子を奪う力(水素を奪う力)
還元力は電子を与える力(酸化した物質から酸素を分離させる力)
OH(ヒドロキシルラジカル)は電子の数が中途半端なために不安定で、ほかから電子を奪う力が非常に大きい。つまり、OHは他の物質から電子を無理やり奪い取りたくてしかたがない。電子を奪い取られた側は分子構造を維持できず、性質が変わってしまい、無毒化する(強引に合体されることも)
そのあたりを分かりやすく説明しているサイトがありました。
虹と雪、そして桜
O2(基底状態の酸素)
↓電子e–
O2–(スーパーオキサイドラジカルイオン)
↓電子e–
O22-(ペルオキサイドイオン)
↓分裂
O–(オキセンイオン)
↓電子e–
O2- (オキサイドイオン)
スーパーオキサイドラジカルイオン(O2–)、ペルオキサイドイオン(O22-)、オキセンイオン(O–)は、それぞれ水素イオン(H+)と反応し、ハイドロペルオキサイドラジカル(HO2)、過酸化水素(H2O2)、ヒドロキシルラジカル(OH)を生成する。
オキサイドイオン(O2-)は、水素イオン(H+)と反応し、水(H2O)になる。
負の電荷を帯びた酸素が発生する=マイナスイオンが発生という理屈。
商品の説明やスペックに、オゾンの量が記載されることもあるのはこのためなのかもしれません。
製品の紹介にに殺菌・除菌効果は使えない
マイナスイオンを発生させることによる効果があるにしても、なんとなくややこしくなっている原因の一つには、「殺菌」「除菌」という言葉が使えないことにありそうです。
薬機法の関係から分かりやすい文言が使えないため、菌を死滅させるとか減らす、みたいな表現にならざるをえないのかもしれません。
シャープのプラズマクラスターなら分かりやすい
シャープのプラズマクラスターは、マイナスイオンだけでなく、プラスも生成すると書いているので分かりやすくなっています。ようするに上述した虹と雪、そして桜さんの説明にあるとおりの仕組みなわけです。
プラズマクラスターの仕組み(Sharp)
↓
カビ菌や浮遊菌の表面に付着し、非常に酸化力の強いOHラジカルに変化
↓
酸化させる(水素を取ってしまう=菌の性質をなくしてしまう)
という流れ。これなら納得です。
また、プラスマイナス両方発生させるのだから、マイナスイオンと言う言葉を使う必要もないわけです。
おしまいに
マイナスイオンのイメージは、人によっては好印象を抱いていたり、あるいは怪しいもの扱いとする人いたりと、毀誉が極端ですね。
マイナスイオンの人体への影響についても研究されていて、それなりに効果がある結果も存在するようです。ただ、OHは老化の原因や健康を損なう原因とされる活性酸素の一種なので、その場合のマイナスイオンは空気清浄機の仕組みとは異なるのかもしれません。
その辺はまた調べてみようと思います。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません