効果的なくしゃみの止め方3選
しゃっくりを止める方法を検索すると、息を止めて塩水を飲む、びっくりさせてもらうなど、いろいろな方法が出てきます。10種類くらいあるみたい。
たしかにびっくりするとしゃっくりは止まりますが、驚かせてくれとお願いしている状況でびっくりできることは稀。ということで、根拠がありそうなものを3つ選びました。
「袋に吐き出した息を吸う」はやりすぎるとあまりよろしくないので、切羽詰ったときだけにしてくださいね。
しゃっくりを止める方法
しゃっくり(吃逆)は、横隔膜は息を吸おうとするのに、声帯は閉じてしまうという相反する呼吸運動で生じます。気道が狭まってうまく息を吸えないからよけい強く吸い込もうとするから苦しくなる。
延髄の中枢神経への異常な刺激によりしゃっくりが発生するため、何らかの形で神経に刺激を与えることで元に戻す、というのが一つ。もう一つは動脈と静脈の二酸化炭素濃度がおなじにすると、大脳が窒息のリスクを検知して、しゃっくり状態を上書きする方法です。
- 息を止める
- 両耳の穴に人差し指を30秒間入れる
- 袋を口に当て、吐いた息を吸う
1.息を止める
一番簡単で、リスクが少ないのは息を止める方法。息を止めれば苦しくはなるけれど、死ぬほど我慢できるわけでもないのでリスクはなし。
しばらく息を我慢していると、確かに止まります。
原理としては、動脈と静脈の二酸化炭素濃度が同じになると大脳が窒息のリスクを検知して、しゃっくり状態にあった延髄の中枢神経による異常な状態が上書きされる、ということのようです(しゃっくりが止まるメカニズム解明|西日本新聞)。
息を止めた後、すぐに(塩)水を飲む、というポピュラーなやり方がありますが、二酸化炭素濃度を上げればいいので水を飲む必要なし、ということのようです。
動脈と静脈の二酸化炭素(CO2)濃度が一致すると、しゃっくりは治まる-。聖マリア病院(福岡県久留米市)呼吸器外科の大渕俊朗医師(56)が、しゃっくりが1週間以上続く重症患者に自分が吐いた息を繰り返し吸わせる臨床試験を行った結果、症状は治まり、しゃっくりが止まるメカニズムを解明できたとしている。
しゃっくりは、喉周辺の刺激を引き金に、呼吸運動(横隔膜の収縮)を調節する延髄の中枢神経に異常な指令が伝わり、無意識に突然強く息を吸ってしまう現象。脳疾患や抗がん剤の副作用などで2日~1カ月症状が続く患者もおり、睡眠障害やうつ状態につながるケースもあるという。
止めるには短時間呼吸をしないなど、血中のCO2濃度を高めるのが効果的とされてきたが、動静脈血の関連性やメカニズムは分かっていなかった。
大渕医師によると、安全性を確認した上で、重症の男性患者2人に袋を使って自分が吐いた息を吸わせ続けたところ、3分前後で症状が改善。同じ条件に置いた成人男性の血中CO2濃度を測定すると、通常は低い動脈血の濃度が上昇し、3分前後で静脈血と同じになった。「CO2濃度が上がり、大脳が窒息回避の指令を出したため延髄の活動が抑制されたと考えられる」と分析。昨年、英国と中国の医学誌に発表した。
しゃっくりが止まるメカニズム解明|西日本新聞
2.両耳に指を突っ込む
しゃっくりを止める方法その2。指を耳の奥まで30秒間突っ込む。これも道具も他人の助けもいらないので、息を止めるのと同じくらいお手軽です。
なるべく奥まで入れる、というのがミソ。
耳奥にある神経を刺激することで、おかしくなっている中枢による横隔膜の動きを修正する、というもの。
ただ、指を耳の置くまで入れると耳垢が奥に押しやられて詰まってしまうリスクがあります。耳掃除はせずに自然排出が好ましいと言われていますから、耳垢の状態によっては多少リスクがあるかも。
3.袋を口にあて、吐いた息を吸う
ビニールや紙袋を口に当てて、自分の吐いた息を吸う、過呼吸の対処法です。
自分の吐く息で袋の中の二酸化炭素濃度を上げ、それを吸い込むことで血中の二酸化炭素濃度を上げるというやつです。原理的には息を止めるのと同じことです。
現在は袋を口に当てる方法は過呼吸でも推奨されていないようなので、いざというときに限ったほうが安全でしょう。
しゃっくりのメカニズム
しゃっくりは横隔膜の痙攣によって引き起こされます。横隔膜が痙攣を起こすと、声帯の筋肉も同時に閉じてしまう。息を吸えるはずの運動なのに、かえって空気を吸い込めない。相反する状態のため、かえって勢いよく息を吸い込もうとするため苦しい思いをすることに。
延髄の中枢神経からの横隔膜への異常信号によるものなので、なんらかの刺激を与えたり、異常な状態を上書きできれば収まるわけです。
しゃっくりには病気が隠れている可能性もあるので、長く続く場合は病院で診断を受けるほうがいいかもしれません。
びっくりさせたり塩水を飲むはダメ?
従来のしゃっくりの止め方は、わりと合理的なようです。
びっくりさせるのは、おかしな状態になっている動きを、別の刺激を与えることでもとに戻す。方法は違えど、原理的には耳に指を突っ込むのと同じことです。
息を止めたあと水を飲むと収まるのは、水というより息を止めたから、ということでしょう。
そういう意味では、物理的に衝撃を受けたり、腹を抱えるほど笑ったりするだけでも収まるのかもしれませんね。
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