体脂肪の性質を知るのがダイエットの近道 やせられないなら敵を知るべし

健康

ダイエットの目的は人によって異なるでしょうが、大きく分ければ2通りに分けられますね。

一つはメタボ・肥満による生活習慣病を避けるための健康を目的としたダイエット。
もう一つは、無駄な肉のついていないスリムな体にするための痩身・美容目的のダイエットです。

服を着こなしておしゃれしたいなら筋肉も付ける必要がありますし、メタボ対策なら食生活の見直すことから始めます。

目的によって優先順位が変わりますが、いずれにしても目標とするのは体脂肪を減らすこと。

しかしこの脂肪、なかなか落ちないんですね。

なにしろ世の中にはスイーツにお酒と、脂肪に直結する誘惑があふれていますから、体重を増やすのは簡単でも減らすのは大変です。

食べたいものも我慢してせっかく体重を減らすことに成功しても、リバウンドして体重も戻ってしまうことも少なくありません。
テレビに雑誌、インターネットにダイエット情報があふれているのは、ダイエットの難しさの表れでしょう。

誘惑にあふれる世の中で節制をするのは大変ですが、脂肪や筋肉についてきちんと理解すれば、適正体重を維持するのはそれほど難しくはありません。

敵である脂肪について知らないままダイエットをすると、しんどい思いをしてしまいます。

ということで、目下の敵である脂肪について詳しく見てみましょう。

体脂肪とは?

体脂肪とは体内の脂肪組織に蓄えられた脂質のことです。

脂質、いわゆる脂肪は食事から得られたエネルギーのうち、消費されなかった余りを体内に蓄えておくために肝臓で作られています。

脂肪1グラムは、9klcalに相当するエネルギーを持っています。このうち2割ほどは水分であるため、実質的なエネルギーとしては7.2kcalとなります。

2割が水ということでずいぶん少なくなった感じはしますが、1㎏の脂肪を落とすには7200kcalを消費する必要があります。
一般的な女性の一日に消費するエネルギーが1800kcalですから、脂肪1kgはじつに4日分のエネルギーを持っていることになります。

たまにある誤解ですが、脂肪はエネルギーが足りなくなった時だけでなく、座っている状態でも寝ている時でも消費されています。
有酸素運動をすると脂肪が減ると言われるのは、脂質の消費量が増えるということです。

さて、その脂肪を蓄えるための組織である脂肪組織には、脂肪を蓄えるための白色脂肪細胞と、脂肪を燃やすことのできる褐色脂肪細胞の2種類が存在します。それぞれの役割についてみてみましょう。

白色脂肪細胞

白色脂肪細胞は脂肪を蓄えておくための入れ物で、文字通り白いです。

映画やドラマで脂肪吸引のシーンをよく見ると、白いものが取り出されています。
それが(脂肪の詰まった)白色脂肪細胞です。

お腹だけでなく内臓の周りやお尻、お腹、太もも背中などなど至る所にあります。
ぜい肉がついているところには”脂肪細胞”ありです。

脂肪というと脂身が原因と考えがちですが、体脂肪の8割は体内で生産されています。

その材料は炭水化物が分解されて小腸から取り込まれたブドウ糖(グルコース)です。
ブドウ糖はエネルギーに変換しやすいのですが、濃度が高すぎる(血糖値が高すぎる)と血管に悪影響を及ぼしてします。

そのため不要なブドウ糖は肝臓でグリコーゲンや脂質に変換され、血糖値が一定に保たれるようになっています。
食後はブドウ糖が増えて血糖値は急激に上昇します。
血糖値が高いと血管を傷つけるために、血糖値を下げるインスリンが分泌されます。

インスリンが増えると、ぶどう糖は肝臓で脂質やグリコーゲンに変換するされます。

これが炭水化物を摂ると脂質が増える原理です。

肝臓で作られた脂質(トリグリセリド:いわゆる中性脂肪、健康診断ではTG)は血液によって体中に送られ、途中で分解されて遊離脂肪酸となり、筋肉や脂肪細胞に取り込まれます。

脂肪細胞は最大で3倍くらいまで大きくなるため、脂肪細胞内に蓄えられた脂肪が増えると目に見える形の無駄な肉、つまりぜい肉となります。

白色脂肪細胞には脂質が蓄えられ、エネルギーが足りなくなると必要に応じて脂質(遊離脂肪酸)を放出します(実際にはつねに取り込んだり放出している)。

消費されることなく肝臓に達した遊離脂肪酸は、肝臓で改めて中性脂肪(トリグリセド)として再生成されて体内に送られます。

白色脂肪細胞の特徴

白色脂肪細胞は場所により内臓脂肪と皮下脂肪の2つに分けられます。皮下脂肪は目に見えるために嫌われますが、健康リスクとしては内臓脂肪のほうが大きくなっています。

メタボや隠れ肥満が健康診断で重視されるのは、内臓脂肪は脂質の出入りが激しく、インスリンに対する抵抗性も持ちやすく、生活習慣病につながりやすいためです。

”痩せる”とは脂肪を減らすこと

美容・痩身のためにダイエットをしているのであれば、目標は見た目に”痩せる”ことですね。しかし、実際には体脂肪が減るということです。
ダイエットをしていて体重が減ってもなかなか見た目に痩せないのは、脂質の出入りの激しい内臓脂肪細胞の脂質が優先的に消費されるためです。皮下脂肪は内臓脂肪細胞の脂質がある程度減った後に消費されるので、目に見える結果が表れるのに時間がかかることがあります。

では、どうしたら白色脂肪細胞に蓄えられた脂質は減るのか。食事からのエネルギー(摂取エネルギー)が消費量よりも少ないと、脂質をエネルギー源とするようになります。つまり

食事で得るエネルギー<エネルギー消費

とすれば、脂肪が消費されるために徐々にですが減っていきます。

簡単ですね。

言うは易し、行うは難しで、それが大変なのですが、 摂取<消費 さえ維持すればわずかずつでも脂肪は減るので、根気よくやれば無理することなく痩せることができます。

ただし、摂取エネルギーが不足する場合は脂肪だけでなく、筋肉の元となるアミノ酸も分解してエネルギーとして使ってしまいます。そ
のため減量中に筋肉が減ることはあっても減ることはありません(例外はあります)。

褐色脂肪細胞

褐色脂肪細胞は赤みを帯びた細胞組織です。

褐色脂肪組織は脂質を燃焼させて直接熱にする働きがあります。運動を伴わずに熱を発することができるため変換効率が高く、子どもの体に多く存在します。
生まれたばかりの幼児には100gほどありますが、歳を重ねるごとに減っていき、二十歳になると40g程度に、40歳をすぎるとほぼなくなります。

褐色脂肪組織のある場所は偏っていて、肩甲骨の間、鎖骨の上、副腎、心膜、傍大動脈と周りの膵臓、腎臓、気管など、限られた場所にしかありません。

褐色脂肪
赤い部分が褐色脂肪細胞

褐色脂肪組織は冬眠する動物にも多く存在することから、相対的に表面積が大きく体温の維持が難しい幼児の重要な熱源と考えられています。

褐色脂肪細胞が活発に働いている人とそうでない人では、基礎代謝量に200kcalの差があります

200kcalはお茶碗一杯分のごはんに相当するため、痩せやすい体質と太りやすい体質の差にも影響していると考えられています。

褐色脂肪細胞の活発さは遺伝的に決まっており、日本人の三人に一人が不活発と言われています。

褐色脂肪様細胞

最初に脂肪細胞には2種類あると書きましたが、3つめの褐色脂肪”様”細胞という脂肪組織も存在します。白色細胞組織に混在しており、ベージュ細胞とも呼ばれます。
褐色脂肪様細胞は褐色脂肪細胞とおなじく脂肪を直接熱に変換することができるため、基礎代謝にも影響しています。

褐色脂肪細胞を活性化できればダイエットも楽に

運動なしにエネルギーを熱に変換してくれる褐色脂肪組織を活性化させることができれば、ダイエットにも効果があるはずです。でも、そんなことができるのでしょうか?

どうやらできるようです。

方法は簡単で、寒さや冷たさなどの刺激を与えること。

一番いい方法は、低温の水(18度以下)で泳ぐことです。
また、夜と昼の区別をしっかりつけて、昼間はしっかり活動し(身体をよく動かすとベター)、夜はリラックスして早めに床につき、十分に眠ること。このようなメリハリのある生活のリズムをつけると褐色脂肪細胞の働きがよくなります。

脂肪細胞について – 金沢医師会

さすがに18度以下の水で泳ぐのはつらいですが、メリハリをつけた生活を心がければいいということですね。

えっと、普通のダイエットでも規則正しい生活をしてきちんと食事をとる。そして体を動かすことを進められますよね。
ということは、ダイエットに励んでいれば褐色脂肪細胞も頑張ってくれるようになるかも?

まとめ

ダイエットの最大の敵で嫌われ者の体脂肪について見てきました。

何もしないで脂肪を燃やしてくれる褐色脂肪細胞が全力て働いてくれれたらいいのに、と思いますが、それは難しいようです。
ま、そうそう美味しい話はないので、まじめに減量に励むしかありませんが、ダイエットってやることは単純なんですよね。

食べる量よりも使う量を多くするだけ。

3食のご飯(炭水化物)を半分にするだけで250~300kcal程度は減らすことができます。
30分のウォーキングをすると体重50kgの人で130kcal、体重が60kgなら160kcalを消費します。

たったこれだけで、およそ400kcalを減らすことができます。
これまで100kcalオーバーだった人であれば、差し引き300kcalの欠損になります。

摂取カロリーが300kcal足りない生活を30日間送るだけで、9,000kcal分のエネルギーが消費されます
。脂肪のもつエネルギーが1kgあたり7,200kcalなので、一月で1.2kgくらいの脂肪を減らせる計算になります。

1月間のトータルでのエネルギー収支を考えればいいので、細かい計算は不要です。

時には飲んだり食べたりしても大丈夫。時間のある日はもっと長くウォーキングをしたり激しい運動をすれば解消できます。

ご飯の量を半分にした直後は辛いかもしれませんが、じきに満腹感を得られるようになります。慣れるまでの期間を耐えればいいだけ。こう考えてみると、ダイエットもそれほど難しくないという気になりますよね。

脂肪燃焼促進系や筋肉増強系のサプリを使えばさらに効果的に減量することができるので、付き合いで飲む機会が多くてもなんとかなったりします。

無理しなくても継続していれば確実に結果は現れますから、気長に頑張りましょう。