コラーゲンは食べたり飲んだりでも効果はあるかも

2018年11月1日健康

コラーゲン

「コラーゲンは食べたり飲んだりしても効果がないんだってね」

知人が先日こんなことを口にしていました。テレビで知ったそうで、コラーゲンの多いものを食べていたのに意味がなかったことにショックを受けたそうです。

コラーゲンを食べても効かないとされる理由は、口から食べたものは体内で吸収される時にアミノ酸まで分解されるから。アミノ酸にまで分解されて吸収されるなら「コラーゲン」を摂る意味はありません。アミノ酸サプリを飲めばいいこと。

しかし最近では経口摂取したコラーゲンでもアミノ酸にまで分解されることなく、中間的な状態で吸収される可能性が示唆されています。

コラーゲンを人為的に分解した「コラーゲンペプチド」(アミノ酸にまでは分解されてない状態)を摂取すると血中のコラーゲンペプチドの濃度が上がることが確認されています。ただしコラーゲンペプチドそのものがコラーゲンとなるわけではなく、濃度の上昇によってコラーゲンを作り始めるスイッチが入り、生成されるようになるという仮説です。

そのことを彼女に伝えたところ、「本当に?よし、サプリを買ってくる」と大喜びしていました。

積極的にコラーゲンを摂りたい理由を尋ねたところ、返ってきたのは「お肌のために決まってるじゃない」の一言。「何アタリマエのこと聞いてるの?」みたいな顔をされました。女性の美容に対するこだわりを改めて認識させられました。

 

コラーゲンを食べるといいとする根拠もあるにはあって、「コラーゲンペプチド」の機能性表示食品としては3つの製品が販売されています(2018年11月現在)。

しかし留意すべき点もあります。

  1. コラーゲンの経口での効果はまだ仮説段階であり、後に覆される可能性がある
  2. 「コラーゲンペプチド」といっても何が有効かははっきりしていない

効果があるとするには検証が足りません。しかし少なくとも「嘘」と断定はできない程度の根拠はあるので、ちょこっと論点をまとめてみました。

 

「コラーゲン食べても意味ないよ」の根拠

分子

「コラーゲンを食べても意味ないよ」の根拠は、タンパク質はアミノ酸、または低分子コラーゲン(コラーゲンペプチド)に分解されてから吸収されるという考え方に基づいています。

小腸と大腸で吸収できる分子量(分子の大きさ)には上限があり、小腸では分子量600以下、大腸では分子量300以下と考えられています。

コラーゲンは型にもよりますが、I型コラーゲンの分子量はおよそ10万で桁が2つ以上違います。分解されなければ吸収されるはずがありません。

  • 少なくとも低分子のペプチドにならないと吸収されない
  • 仮に低分子コラーゲンを直接吸収できたとしても、全てが都合のいい形になるわけでもなく吸収率が悪い
  • 部位によってコラーゲンの型が異なるため、コラーゲンが吸収されたとしても「役立つ」形で効果があるかは分からない

このあたりが「コラーゲン食べても意味がないよ」の主な理由です。

 

コラーゲンを食べる意味はあるらしい

鶏肉コラーゲン

口から食べたコラーゲンペプチドの成分が血液中に多く含まれていたという研究結果から、コラーゲンペプチドは経口摂取でも分解されることなく吸収されることが確認されています。

コラーゲン由来のペプチドの血中の量が増えると「コラーゲンを作る」スイッチが入り、コラーゲンが生成されるきっかけになるという仮説があります。

「コラーゲンを経口摂取に意味はあるよ」説は、この2つの理由に拠っています。コラーゲンペプチドが吸収されることは確かでしょうが、「コラーゲンの生成が始まる」かどうかは仮説のため、覆る可能性があります。

個別の研究では確からしくても、検証が足りない。そのためコラーゲンを食べることに「意味がある」かもしれないし「そうでない」かもしれない、としか言えないということです。

コラーゲンそのものではなく、予めコラーゲンを分解して作った「コラーゲンペプチド」での結果です。コラーゲンを多く含むものを食べて同じような結果が出るとは限らないのでご注意を。

 

食物アレルギーが生じるのはタンパク質のせいということは

食物に含まれるタンパク質がアレルゲン(アレルギーの原因)となって、好ましくない免疫反応が生じるのが食物アレルギー。

口にした食べ物が完全にアミノ酸や、その一歩手前にまで分解されるのなら、少なくとも吸収の際に食物アレルギーが生じることはないはず。

分解されきれていないタンパク質が吸収されることもあると考えるほうが自然ですよね。

 

コラーゲンの効果は「あるかもしれない」

コラーゲンそのものを食べて効果があるかは分かりませんが、コラーゲンペプチドの効果はそれなりにありそうです。

まだ分かっていない部分も多く検証も必要ですが、少なくとも「コラーゲンを食べても意味がない」とは言えない状態です。

あとは「個々人で判断」なのですが、「嘘」ではないけれど「本当」かも分からないので難しいところがあります。

ぼくは科学的根拠に欠けるとされる「水素サプリ」や「ブルーベリーサプリ」を飲んでます。毎日というわけではなく、体を動かした後であったり、目の疲れが翌日に持ち越されそうな時、気休めのつもりで用いています。

毎日飲んでいるわけではないからお金もそこまでかからないし、いずれ効果が認められる「かも」しれないからです。

コラーゲン製品も効果があればラッキー程度に考えられるなら、飲んじゃってもいいんじゃないでしょうか。