Calとkcal 間違えやすいカロリー表記

2017年2月2日健康

体の線が気になったり、中性脂肪が多すぎると言われてダイエットを始めると、まず気になるのが日頃の食事のカロリー。

お茶碗一杯のご飯140gのもつエネルギーは約230キロカロリー、うどん一玉240gが256キロカロリーといった具合に、1日にどのくらいのカロリーを摂っているかを調べます。

そんな時にkcalではなく、Calという表示を見かけたことがありませんか?キロカロリーなら1,000の単位を表すkがついていないとおかしいと思いますよね。慣れないうちは混乱することがあります。

じつはcalとCalは同じつづりなのに意味が違うんです。

Cal と kcal は同じ意味

calのあたまが大文字のCで、Calとなっていると1,000calを意味します。

古い本やサイトを見ているとごはん一杯130gが約200Calのように表示されていることがあります。ご飯一杯がたったの200カロリー?と思うなかれ。意味するところは200キロカロリーなんです。

文字なら注意していれば分かりますが、呼ぶ時はキロをつけるか、大文字を使うので大カロリーとも呼ばれていました。間違いがないように、小文字のカロリーは小カロリーと表現されることもありました。

Calだと紛らわしい

大文字Calと小文字calで使い分けるのは紛らわしい。Calの中に一つだけ500calがあったりすれば、「えっ?」と思ってしまいます。

書く方も読む方も間違えやすいので、現在は大文字と小文字で区別することはやめ、1,000の単位を表すkをつけて、1,000cal=1kcalと表示されるようになっています。

1カロリーは水1グラムを1℃上げる熱量、つまり1キロカロリーは1リットルの水を1℃上げる熱量です。体温を上げればカロリー消費が増えて痩せられる!という説(?)もありますが、体温が低いほうが寿命が長くなるという研究もあるので、あまり好ましい考え方ではないでしょう。ちなみに人間の比熱は0.83なので、体重50kgの人の体温を1℃上げるのに必要なカロリーは41.5キロカロリーになります。

 

カロリー

ついでにカロリーの意味についてもおさらいしておきましょう。

カロリー(calorie)は生理的熱量の単位を意味します。難しそうな表現ですが、食べ物に関して言えば、ようは体の中で消費されるエネルギー量のことです。

「脂肪を燃焼させるサプリ」といった言葉をよく耳にします。燃焼というと火が燃えることを思い浮かべますが、体内では「燃やして」はいませんよね。なのに、なぜ脂肪を「燃焼」させると表現されるのでしょうか?

それはエネルギーを取り出すために酸化させてエネルギーに変える過程が燃焼と表現されているからです。焚き火が燃えるのは、燃焼するための元と酸素が結びついて生じる反応です。

体内では脂肪やブドウ糖が酸化する時に生じるエネルギーを火を出さない方法で利用しています。無酸素運動のように直接酸素と結合させずにエネルギーを取り出すこともありますが、限界があります。

カロリーは生理的熱量のほか、生理的エネルギー値、生理的エネルギー量、代謝熱量、代謝エネルギー量といった表現を使われることがあります。

 

調理法で食品のカロリーは変わる?

野菜などの皮を剥いたら、その分はカロリーとして減りそうな気がします。また、調理法によっては吸収されやすくなるので、カロリーは増えそうな気がします。

でも、気にしなくて大丈夫です。

文科省の公表している日本食品標準成分表は、日常的に食べられる部分をもとに吸収率も考慮して作成されています。肉も野菜も部位によって別項目になっているのは、実際の体内での吸収を考慮しているためです。