筋肉1kgの基礎代謝は13kcal、脂肪は4kcal それでも筋トレには意味がある?
- 食事の量と質を見直す
- 運動をして体脂肪を落とす
- 筋肉をつけて基礎代謝を上げる
ダイエットの基本と言えばこの3つにつきますね。美容目的の痩身にしても、メタボ(肥満)改善のための生活習慣の見直しにしても基本は同じです。
「太ってしまった」ということは、「消費カロリー< 摂取カロリー」の状態です。逆に消費カロリーが摂取カロリーよりも大きくなれば確実に痩せます。インフルエンザに罹ってまともに食べられない日が続いた後、体重が大幅に減りますよね。
エネルギー摂取量を減らすため、食事の量と質の見直しは絶対に必要です。
[ads01]運動をすればカロリーを消費するので、痩せることにつながります。しかし筋肉はどうでしょう?筋肉1kgの基礎代謝は13キロカロリーほどと、思ったよりも少ないんですよね。一方で憎まれ者の脂肪1はkgあたり4キロカロリー消費します。
- 筋肉1kgあたりの基礎代謝 13kcal
- 脂肪1kgあたりの基礎代謝 4kcal
脂肪を1kg落として筋肉1kgをつけても差し引き9キロカロリーが増えるだけ。テーブルを拭いたり洗い物といった家事、2,3分ほどのエネルギー消費にしかすぎません。
それなら筋肉をつけることに意味はないのでしょうか?
筋肉の基礎代謝はあまり多くないなら有酸素運動だけでいい?
筋肉を1kg増やしても基礎代謝は13キロカロリーにしかなりません。ふつうの家事を4~5分ほどやれば消費されてしまう程度しか増えません。
「だったらウォーキングのような有酸素運動だけして、筋肉をつける必要なくない?」と思いますよね。
それも1つの方法です。ウォーキングだけでは筋肉はあまりつきませんが、有酸素運動の効果は得られます。
有酸素運動のいいところ
- 呼吸筋を発達させて酸素の取り込み能力を上げる
- 心筋を発達させ、血行をよくする
- 体を動かすための筋肉内の毛細血管を増やす
- 血液中の悪玉コレステロール(LDL)と中性脂肪を減らし、善玉コレステロール(HDL)を増加させる(脂肪が減り、血管の疾患の可能性も減る)
血行がよくなって日常生活を送っていれば、必要な筋肉は自然とつきます。カロリー収支さえ合っていれば太りもしません。そう考えると筋トレは必ずしも必要ではありません。
しかし、筋肉をつけることに意味はあるんです。
筋トレは筋肉の基礎代謝が目的ではない
筋肉の基礎代謝は13kcalしかありません。しかし筋肉をつけると、筋力を増やす運動をすることで、内臓機能が鍛えられ、結果として基礎代謝が上がることが分かっています。
筋肉量と基礎代謝の関係ははっきりしているわけではありませんが、一般に筋肉の量が多い人ほど肝臓や腎臓、心臓といった内臓が大きい傾向があるとされています。
運動をすると心拍数があがり、心臓がドキドキします。心臓は運動をすることによってより多くの血液を送り出すために鍛えられます。肝臓も運動に伴ってグリコーゲンや中性脂肪への変換などに忙しく働くことになるので活発になります。
筋肉をつけるための運動をすることで内蔵も鍛えられ、「除脂肪量」(体脂肪以外の量)が増えます。除脂肪量には体を動かすための筋肉(骨格筋)だけでなく、内蔵や骨の量も含まれており、骨格筋はおおむね除脂肪量の半分ほどになります。
数字にはバラツキが多いものの、筋トレによる除脂肪量が1kg増えると、基礎代謝量は50カロリー程度増えるという結果もあるそうです。除脂肪量中の筋肉の量が半分程度だとすると、筋肉が500グラム増えると基礎代謝は50キロカロリー増えることになります。
実際には単純な足し算引き算にはなりませんし、年齢や体型・体質にもよるので一概には言えません。しかし筋肉を1kgつければればエネルギー消費が100kcal増加すると考えると筋トレには大いに意味がありますよね。
筋肉を1kg増やすのは大変ですが、意味は大いにあります。
ダイエット(減量中)の筋トレは筋肉を減らさないため
筋肉を増やすことで想像以上に基礎代謝が上がるので、エネルギーを消費しやすい体になります。
しかし減量中は原理的に筋肉を増やすことはできません。
体重を減らすということは、エネルギー収支(カロリー収支)をマイナスにすることです。平たく言えば、
食べた量より多くエネルギーを使って体に蓄えられたエネルギー源である体脂肪を消費して減らそう
ということです。
ここで問題になるのが、消費カロリーが摂取カロリーより多い場合のエネルギー源です。エネルギー収支がマイナスな状態では、体脂肪が消費されます。そこまではよいのですが、脂肪ばかりでなく筋肉の元となるアミノ酸も分解してエネルギー源として使われてしまいます。
- 減量中は脂肪だけでなく、筋肉も減る
筋肉美を目指すボディービルダーも、減量期と筋肉を増やす時期を分けています。減量期には筋肉を落とさないようにしつつ余分な脂肪を落とすわけです。
減らしたいのは脂肪なのに、筋肉まで減るのは都合が悪い。基礎代謝が減ってしまうばかりか、体のラインまで変わってしまいます。
ダイエットの目的を考えれば脂肪の減りは最大に、筋肉の減少は最小にしたい。減量中の筋トレはそんな欲求を実現するために行うものです。
バランスのよい食生活をしていれば、普通の筋力アップのためのトレーニングにプロテイン・サプリは摂らなくても構わないとされています。
しかしダイエット中にプロテインを摂る人が多いのは、エネルギーとして消費されてしまうアミノ酸を補給するためなんですね。
糖質制限ダイエットならタンパク質は十分摂れているでしょうから、プロテインサプリを飲む必要はないと思います。ただ、減量中こそ無理のない範囲で筋トレをする必要があるというわけです。
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[…] 参考:やるぞう、筋肉1kgの基礎代謝は13kcal、脂肪は4kcal それでも筋トレには意味がある?、2018年3月24日(https://yaruzou.net/diet-muscle-training-1#toc_id_2) […]
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[…] 出典:やるぞう 「筋肉1kgの基礎代謝は13kcal、脂肪は4kcal それでも筋トレには意味がある?」 […]
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