3Mix-MP法とは?治療体験 成功 → 失敗

2016年11月16日生活

歯科

3Mix-MP法という歯の治療法をご存知ですか?
虫歯をできるだけ削ることなく、歯を残すことを目的とする温存治療の一つです。

虫歯菌を薬剤で除菌する治療法なので、普通なら抜髄(神経を抜く)するケースであっても、3Mix-MP法を使えば残せることもあります。「残せることがある」ということは、失敗することもあります。

治療に失敗してました。詳しくはこちら

3Mix-MP法は2006年から2008年くらいに「痛くない治療法」としてマスコミでも取り上げられていたので、ご存知の方も多いと思います。

ところが最近はトント耳にしない。一般化したからなのか、否定的な歯科医が多いからなのか、どちらなんでしょうか。

ネットで調べてみると3mix-mp法の治療を受けてもうまくいかなかった例が目につくので、否定的な人が多い印象です。

じゃあ失敗が多いのかというとそうとは言い切れません。温存治療の場合、うまくいったかどうかは結果論でしか語れないので、「成功した」とは書きにくいんです。

 

3Mix-MP法、今のところ成功?→失敗

治療に失敗してました。

かぶせたセメント?が外れて、う蝕していたことが判明。神経を抜くことになりました。
外れる前も後も痛みは一切なく、かぶせものが自然に取れるように外れただけ。

詳しくはこちら

ぼく自身、治療を受けてから4年以上が経過しています。その間、痛みが出たことはありましたが、知覚過敏やその他原因不明のものだったらしく、歯そのものには問題はないとのこと。

だけど、実は歯の中に菌が生き残っていて、明日痛みが出るかもしれない。そのため「今のところ」治療の成果が出ているとしか言えないんですね。

2017年1月追記
検診で別の歯で小さな虫歯が見つかったのでレントゲンを撮られました。
どうやら治療した歯は再石灰化しているらしく、治療してくれた先生にうまくいったなーと言われました。
ということで、3Mix-MPは成功していたようです。

 

温存治療と考えれば、抜髄を先延ばしできるだけでも御の字

ぼくが3Mix-MP法で治療してもらった時は、抜髄(神経を抜く)しかないという状態でした。虫歯が進行して神経に達し、歯髄炎になっていました。

歯医者嫌いで虫歯の痛みを鎮痛剤でごまかして過ごしていたのが祟って、近所の歯科に行った時には既に手遅れ。神経を取って根管治療を行い、クラウン(被せ物、金歯やセラミック)をするしかないと診断されました。

金歯が嫌というより神経を抜くのを避けたかったので、無理だろうと思いつつも代替治療を調べて3Mix-MP法にたどり着きました。

わりと近所に 3Mix-MP 法を行っている歯科があったので事情を話して予約をとりつけ、幸いなことに急患扱いで2日後に診てもらうことができました。

その先生は「ここまで酷いとうまくいくか分からんけど、やって様子を見よう」と言って3Mix-MP法での治療をしてくれました。

ぼくはうまくいかなくて当然、先延ばしできればラッキーという考えだったので、失敗は承知でいました。

 

実際の治療

実際の治療は普通の虫歯治療と変わりありませんでした。虫歯がかなり進行していたため麻酔を打ち、虫の食った歯を削ってセメント(埋めるやつ)でフタをするだけ。当然キュイーンというあの嫌な音も耳に入ります。

通常の治療との違うのは、歯を削った後に3Mix-MPの薬剤を塗ることだけでした。

 

3Mix-MP法は痛くない治療法と言われていましたが、はっきり言って痛い。まず、歯ぐきに麻酔をかけるときが辛い。

麻酔が効いている間は何も感じませんが、麻酔が切れた後は痛いのなんの。2,3日は口を開けるのもおっくうで、ものを食べるのも一仕事でした。

治療後に生じた痛みが出たのは歯そのものではなく、周辺の歯ぐき。治療前から進行した虫歯のせいで周辺が腫れていたので、その腫れも影響していたのかもしれません。

痛み止めはもらえなかったので、ロキソニンを薬局で購入して過ごしました。バファリンでは痛みを抑えられなかったほど。

 

治療費は通常の虫歯治療として保険適用になっていました。3Mix-MP法で使う薬剤の量は少ないため、薬代を請求しないことで通常の保険治療としてもらえたようです。

 

その後

とりあえず試してみようと言われた治療で、結果として4年以上もの間、なんの支障もなく食事ができています。普通なら神経を抜いて、被せ物をしていたはずであることを考えたら、本当にありがたい話です。

たとえ失敗していて今神経を抜く必要が生じたとしても、3Mix-MP法で治療してもらったことに後悔はありません。

 

3Mix-MP法を虫歯根治の手法だと考えず、重篤な場合でもひょっとしたら神経を抜かずに済むかもしれない温存治療・保存的療法と考えるといいと思います。

とりあえず治療して様子を見て、うまくいかなければ他の手法を試す。
歯科以外でもよくあることですよね。

3Mix-MP法を快く思っていない歯科医も多いようですが、治療を受ける側からすれば、温存できる可能性があるだけでもありがたいと思います

一般に3Mix-MP法は自費診療になりますが、根管治療をして被せ物を作るより早いし、安いことが多いと思います。神経をすぐ抜いて金歯にするより、数ヶ月でも、数年でも先延ばしできれば御の字ですよね。

 

今は歯の温存治療は3Mix-MP法以外にもいろいろあるので、一通り調べてから近くの歯医者に問い合わせてみることをお勧めします。歯が痛いのなら歯医者に行くのをためらわず、早めに治療をしてもらうほうがいい、というのが体験者の気持ちです。

どうせ治療は避けられないのだから、ほんと、早く診断を受けるほうがいいですよ。