日本の消費者物価上昇率、1902年からのインフレ率をグラフで見る

物価日本の統計, グラフ, 経済

グラフ
データについての注釈
グラフに表示されている数字は、前年の物価に対してその年に上昇した価格のパーセンテージです。0 なら前年と同じ、50 なら 50% の値上がり、100なら 100%増 = 2倍を意味します。

物価の大きく変動した時期

グラフの期間を広くとって長期でみると、1919年、1946年、1974年に大きな変動があったことが分かります。

1919年は第一次世界大戦の好景気の影響によるインフレ、1946年は敗戦後の物不足によるインフレで、1974年は第一次オイルショックによるものでした。

最も大きな変動を経験した第2次世界大戦後

日本経済でもっとも大きな物価上昇率を経験したのは第2次大戦終戦の年1945年から1949年にかけてのことです。1946年には4倍近くの物価上昇を記録しています。

120円だった缶コーヒーが、翌年の同じ時期には480円になっていたらたまりません。物価が上昇した理由はモノがなかったため。

120円で買いたくても無いものは無いから仕方がない。モノがあったらあったで、倍額の240円でもいいから売ってくれという人が手に入れてしまう。

闇市で高値で取引されていたのは、高くても買いたい人の需要と高く売りたい供給がマッチしたためです。

グラフを長期表示すると、戦後数年間以外はほぼ平坦に見えるのは、戦後の物価上昇がそれだけ凄まじかったことを表しています。もっとも戦後のインフレですら、いわゆる「ハイパーインフレ」というほどではない、というのが一般的な見方です。

第一次オイルショック(1973-1975)

1961年からの池田内閣所得倍増計画では実質経済成長率は年平均10%以上となり、実質国民所得は7年で2倍となりました。この間の物価上昇率は 5 ~ 8% ほどと決して低くはなかったものの、それ以上に経済が成長したため実質所得は上がり続けていました。

しかし1973年に発生したオイルショックによる原油高で一変。74年には23%以上の物価上昇率を記録し、経済成長も足踏みをすることになりました。電力使用制限がかけられたことにより、省エネへの転換期ともなりました。

第一次大戦(1914-1918)

三国同盟(ドイツ・オーストリア・イタリア)対三国協商(イギリス・フランス・ロシア)によって生じた第一次大戦は、はじめての大規模な近代戦と言われています。

それまでの戦争とは異なり、電信を始めとする通信技術による情報伝達の高速化と戦車や航空機といった機械兵器の進歩により、戦場の様相が一変。さらに毒ガスといった化学兵器なども使われるようになり、それまでの戦争とは比較にならないほどの被害・消耗が発生するものとなりました。

イギリスと同盟関係にあった日本もドイツに対して宣戦し、第二次世界大戦を舞台として登場するトラック島(チューク諸島)もこの時に権利を得ました。

宣戦したものの戦場は主にヨーロッパ。戦火にさらされない日本は生産工場としての役割を担い、好景気となりました。

とくに造船と貸船の需要が高く、多くの成金が生まれました。これを大戦景気といい、1920年の戦後恐慌まで続くことになります。

好況となったこの時期に資金需要が高まり、結果としてインフレが亢進しました。

足元の暗い玄関先で100円札を燃やして明かりにする成金の風刺画「どうだ明るくなったろう」(和田邦坊:成金栄華時代)はこの頃を描いています。

和田邦坊 どうだ明るくなったろう

所得倍増計画

GNP(国内総生産)を13兆円から26兆と、倍にすることを目標とした池田内閣の経済政策。1961年から1970年までの10年間で倍にする計画だったが、高度経済成長の波に乗ったこともあり、1967年には達成。

当然ながらインフレが進んだが、1.4倍ほど。成長率にくらべてインフレ率は小さかったため、実質的な所得は大きく向上することになりました。

成長のためには多少の犠牲はやむを得ないという考え方があった。公害対策より成長が優先されたため、さまざまな歪が生じたのもこの頃のこと。

グラフの見方と意味

上のグラフは消費者物価指数(CPI)の変動率をグラフにしたものです。消費者物価指数はある年を基準値100として、過去の物価が何%に当たるかを計るための指標です。こう書いてもちょっと分かりにくいかもしれません。

消費者物価指数は基準とする年、たとえば2015年の物価を100として、それ以外の年の物価が2015年の何パーセントに当たるかを示す指標です。

単純化すると、2016年が2015年より5%物価が高かったすると、2016年の消費者物価指数は105となります。翌年2017年は2015年より10%高くなっていれば110となります(あくまで一例です)。

したがって物価指数が50の年は、2015年の半分の物価だったことになります。

100とする年を基準年といい、5年毎に更新されています。基準年を定期的に更新することで、現在の物価と過去の物価の比較がしやすくなっています。

物価指数が分かればある年と別の年の物価の比較がしやすくなりますが、基本的に物価は上がるものなので、物価指数をグラフにすると右肩上がりにしか見えません。

そのため上のグラフでは前年の物価指数からどれだけ変化したかを計算した変動率を表示しています。

 

消費者物価指数は1947年以降のものしかないため、それ以前については価格変動率から指数を導いて作ったのが貨幣価値換算計算機です。

関連貨幣価値換算計算機

貨幣価値換算計算機では消費者物価指数そのものは使わず物価変動率から独自の指数を出しているため、ズレが生じている時期があります。

昭和の時代を舞台にした本を読んだり映画やドラマを観ていて浮かぶ、「当時の1万円は今のいくらだろう」といった疑問には答えられる程度には使えると思います。

 

利用したデータの出典

参照元2015年基準消費者物価指数(統計局)1947以降

参照元(新)近現代・日本のお金(貨幣、紙幣)1947以前
日銀消費者物価の公開を取りやめているので、昭和21年以前の日銀消費者物価はこちらから頂きました

CPI消費者物価指数について

消費者物価指数(Consumer Price Index : CPI)は、全国の世帯が購入する商品やサービスの価格(小売価格)の変動を表す指数です。

物価の上昇率・変動率を測定する指標には、ほかにも企業の取引を対象とした企業物価指数やGDPデフレーターがあります。

CPIは基準となる年の指数を100として算出され、5年毎に改定が行われています。基準年の指数100より大きくなっていれば物価は上昇し、小さくなっていれば下落していることが一目でわかるようになっています。

CPIの測定対象は家庭での消費品目全般としていますが、野菜や魚のように季節や天候の影響を受けて変動しやすい品目も含んでいます。そういった変動しやすい生鮮品を除いた コアCPI や 酒類も除いた コアコアCPI も指標として用いられることがあります。

CPIはわたしたちの生活に直結する品目の物価変動を見るための指標なので、一般にインフレといえばCPIを指します。

インフレ傾向になると商品やサービスの価格が上昇するので家計に影響が出ます。しかし同時に、商品やサービス提供の受け取る額も多くなるため、賃金に反映されることになります。

モノの価格が上がれば生活は苦しくなりますが、同時に高くで売れるようになるため還元されるといった複合的な要素があるため、ほかの要素も併せて考える必要があります。

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