3Mix-MP法の治療とその理屈
3Mix-MP法の理屈は単純で、虫歯(う蝕した歯)の菌を死滅させて進行を止めるというものです。
通常の治療では虫歯の部分を完全に削って、神経から遠ければセメントを被せて終わり、神経に達していれば神経を抜いて被せ物をする事になります。
一方の3Mix-MP法は、虫食いの部分を全てを削らず、抗生物質を塗布して虫歯菌が死ぬ環境を作り、その上から詰め物で蓋をしてしまいます。抗生物質で歯の中にいた菌がうまく死滅すれば、虫歯の進行が食い止められる、という理屈です。
子供の頃に親から虫歯菌をもらわなければ一生虫歯にならないと言われますよね。菌がいると虫歯が進行するけど、いなければ何も起こらない。
虫歯になって弱っていた部分は、除菌さえできれば再石灰化して元に戻ります。つまり、虫歯の部分を無菌にして、あとは身体の自然治癒力に任せるのが3Mix-MP法の原理です。
3種類の薬剤と材料を使うから3Mix-MP法
虫歯菌を退治するための3種類の抗生物質(3Mix)と混ぜる材料(MP)を用いるため、3Mix-MP法と名付けられました。
これらの薬剤を虫歯の治療に利用することは保険では認められていません。3Mix-MP法が自由診療となるのはそのためです。
ときどき保険でやってもらえたという話も聞きますが、それは薬剤費を請求しないで済ませてくれているケースです。
薬剤費を請求すると自由診療になってしまいますが、薬剤費は微々たるものだからと、歯科医が請求しなければ保険治療になります。
色々試すタイプの先生なら保険内にしてくれるかもしれませんが、一般には自由診療だと考えたほうがいいです。
うまくいかないケース
3Mix-MP法でうまくいかないのは、虫歯菌退治に失敗したときです。これにはいくつか原因があって、薬剤がうまく塗布できなかった、抗生物質に耐性があった、削り方が足りなかった、密閉がうまくいかなかった、といったことが考えられます。
うまくいかなければやり直すか、一般的な治療を行うことになります。
3Mix-MP法が失敗した場合は二度手間になることや、再治療の際に3Mix-MP法を受けた時より進行している可能性があることは理解しておく必要があります。
失敗する可能性を重視する歯科医は否定的な印象です。